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原料技術研究室では,新材料技術のうち,特に多孔質原料の開発を目指して,無機多孔質原料のメソスコピックな大きさの細孔構造を制御して高度な化学反応場,触媒担体,セラミックフィルター,調湿建材等として応用するための,成分,空孔サイズ,粒径,有機修飾等の設計技術やプロセッシング技術の基礎的研究を行っています.
火山灰由来土壌に産出するナノチューブ状アルミノケイ酸塩(イモゴライト)は高い粘性、比表面積および吸着能力を有し、 これは結晶構造や物質形態、表面親和性に依存すると言われています。本研究ではイモゴライトの産状と吸着特性を調査し、材料設計の指針となる データを集積しています。また天然イモゴライトより優れた機能を有するアルミノケイ酸塩材料の合成方法を確立し、その工業材料等への応用を検 討しています。更にイモゴライト表面の化学修飾等を行い、機能性の賦与を図っています。( 地質調査所との共同研究)
最近の成果
1)オルトケイ酸エチルを用いた中和滴定法では、ケイ酸エチル溶液が5mM以下でイモゴライトの合成に成功しました。 2)オルトケイ酸ナトリウムを用いた中和滴定法においても、ケイ酸ナトリウムが5mM以下でイモゴライトの合成に成功しました。 3)オルトケイ酸ナトリウムを用いた急速混合中和法を開発し、上記の中和滴定法よりも迅速なイモゴライトの合成が可能となりました。 (地球化学的研究については 地質調査所のホームページ をご覧下さい。)
無機ナノチューブ(イモゴライト)の断面図
2.無機メソ空間材料の合成と化学反応場としての利用技術に関する研究(鉱工業技術振興費:平成9〜11年度)
1.ケイ酸塩巨大分子の合成体や類縁化合物の合成を,水熱法,沈殿法等を用いて試みています.2.得られた無機巨大分子の配列を検討しています.3.得られたメソスコピック材料の中に有機分子を取り込ませ,光化学や放射線化学反応における反応の特殊性を観測します.4.空間サイズを利用した,反応制御材や環境調整材としての利用を検討しています.(化学部素励起化学研究室との共同研究)
最近の成果
界面活性剤鋳型メソポア合成技術においては、第4級アンモニウム塩とヒュームドシリカを利用して100゚C7日間水熱処理後、600゚C6hで脱脂した結果、炭素鎖長の増大C10→C16に伴い、細孔直径が2.1→3.2nmに,比表面積が965→1344m2/gに増大させることができました。光反応を考慮したチタンメソポア材料合成においては、上記にチタンを5%添加して合成した結果、炭素鎖長の増大C10→C16に伴い、細孔直径が2.0→2.7nmに,比表面積が540→863m2/gに増大させることができました。反応場応用については
化学部素励起科学研究室のホームページ
をご覧下さい。
メソ空間中におけるラジカル反応の概念図
4.インテリジェント型調湿材料の開発に関する基礎研究(官民連帯共同研究:平成8〜11年度)
高気密住宅の内部結露による腐朽菌やダニ・カビ等の繁殖を防ぎ,除湿エアコンなどの電力消費を低減させるため,調湿,抗菌,断熱性を有した「呼吸する壁材」を研究し,省エネ・健康・防災性に優れた材料の開発を目指しています.そのための基盤技術として,1.自律吸脱着性細孔構造・表面化学組成の評価・設計技術の開発,2.呼吸する壁材母材の合成技術の開発,3.撥水・抗菌表面処理技術の開発などを行っています.(民間企業3社との共同研究)

5.無機層状原料を利用した薄膜プロセスの基礎的研究(経常研究:平成11〜12年度)
今日、無機材料の構造を制御した薄膜の作成技術が、環境浄化用フィルター、ガス分離膜、薄型電子機器用のセンサー、薄膜コンデンサー材料などに求められています。しかし、無機粒子は複雑な化学組成と構造を持つため、配向性を制御した無機膜の作成技術は困難を伴っています。本研究では、層状無機粒子の配向性と分散性を利用した薄膜機能材料化の可能性を検討し、その手法を開発するための基礎的研究を行っています。
最近の成果
陰イオン交換能を有したハイドロタルサイト族粒子を中心とした種々の組成の合成無機層状粒子を用いて、層間に有機分子をインターカレーションさせることにより疎水化と分散化を同時に達成し、それを水面上に展開後、基板上に累積することにより再現性のよいラングミュアー・ブロジェット膜化を試み成功しました。また、同型置換やイオン交換に伴う電気的特性変化を検討しました。

Last Modified: 2000/11/08